UCV圧縮エンジンについて

技術・特徴

可逆圧縮(Lossless Compression)

データの欠落がまったく起こらない圧縮方式のことを言います。可逆圧縮方式により圧縮されて符号を復号すると、圧縮前のデータを完全に復元できます。図面やレントゲンなど、データが1ビットでも欠ける事があるとまったく異なったデータになってしまいますし、大変なことになってしまいます。

何故、可逆が重要なのか? (誤った利用の仕方を画像の特性から検証)

圧縮の形式には可逆と不可逆があります。
AcrobatでファイルをPDF形式に変換する時に使用される圧縮方式は、
@カラー画像とグレースケールの場合は、ZIPまたはJPEG圧縮が使用されます。
JPEGはデータを“捨てる”ことでデータを圧縮しておりますので、データを元に戻す事はできません。
また、A白黒画像の場合は、ZIP、CCITT Group(Fax機器で採用)、JBIGまたはRunLength方式で 圧縮されます。
A3サイズ以上の画像データに関しては、分割してデータを作りますので、画像にズレが生じますので、 データを元に戻す事はできません。
元々PDFはドキュメント(文書)をターゲットにしており、図面等の大判に関しては適しておりません。

◆BitmapとJPEGの比較 (画像の劣化)

全体を見た場合には殆ど変りませんが、拡大すると明らかに色数が減っている事が分かります。変換したJPEGはデータ容量は減っていますが、画面に表示する際にはBitmapと全く同じ容量になります。

BitmapとJPEGの比較

◆TIFFとPDFの比較(画像の整合性)

全体を見た場合には殆ど変りませんが、拡大すると明らかにズレが生じている事が分かります。A3サイズ以上の画像は分割して生成しております。画像の整合性を図る為に用いられるPSNR(Peak signal -to- noise ratio)値の数値も大きく異なりますので、完全に元データへ復元する事ができません。

TIFFとPDFの比較

UCV可逆圧縮エンジンの特徴

UCV圧縮技術は品質(原本性)を維持(担保)するために、フルカラー・インデックスカラー(256色)・モノクロ 画像までデータの欠落が全く起こらない圧縮形式のエンジンです。UCV(可逆)圧縮されたデータは、圧縮前 のデータに完全に復元可能です。PDFとは違いフルカラー〜モノクロまで画像の種類によって最適な圧縮 エンジンを選択し、品質を保ちながら圧縮できる世界で唯一の圧縮エンジンです。

◆インデックスカラー

今後構造物や各設備のメンテナンスは耐震などの観点からわかり易くするためにカラー化は必須要件です。印鑑や修正指示が書き込まれた図面を200dpiの解像度で取り込んだ(スキャン)TIFF(インデックス)イメージをCSVファイルに変換した場合、データ容量(68MB)が40分の1(1.7MB)のサイズまで小さくなります。勿論、可逆形式なのでデータの劣化はありません。(JPEGではデータの欠落が起こります。)データのバックアップも容易になり、保管スペース(ストレージ)の削減、メールで簡易にデータを送信する事も可能です。

インデックスカラー

◆フルカラー

航空写真や公図、公的文書などデータの欠損なく利用すべきものや後世に残さなければならない物があります。しかしより鮮明な画像ほどデータ容量が大きくなります。フルカラー対応エンジンはデータ容量を大幅に削減可能です。文書と画像が混在している公文書などは、1/10程度まで可逆形式で圧縮する事も区可能です。 また、変換→復元に関しても通常企業や自治体で活用されているPC(CPU:Core2DUO)クラスで短時間に実現可能です。

フルカラー

◆モノクロ

モノクロで取り込まれたTIFFデータは、400dpi以上でないと詳細部分が欠落してしまいます。しかし解像度を上げるとデータ容量は数倍になり、1つのファイルが小さくても複数ページになれば容量は膨大になります。既にG4(MMR)形式で圧縮されているTIFFファイルを可逆形式=元に復元できる形式で、更に容量を小さくする事が可能です。

モノクロ

◆JPEG圧縮(無損失モード)

ローンや各種契約書・申込書などをスキャンするとデータはJPEG形式になります。一箇所でも修正すると画像の劣化が進みますし、肝心な箇所がぼやけたりします。 既にJPEG形式になっているデータや新たなデータまで現状の品質を保持して最適化で圧縮。金融機関や公的機関で保管している契約証拠書類などの重要なデータを無損失の状態で容量を軽量化を実現。
※対象となるJPEGデータは無損失圧縮形式になっておりますので、元のJPEGからの劣化は一切起こりません。

JPEG圧縮(無損失モード)

不可逆圧縮

◆フルカラー

JPEGは写真と文字が混在したデータはノイズが多く発生します。デジタルカメラから取り込んだRAW(生=未加工)のデータをJPEGのような間引き処理を行わず、輪郭などの特徴点を視覚的な感覚でベクトルデータ化しますので、拡大・縮小しても データは鮮明であり、且つ保管時にもJPEGと同等の容量にする事が可能です。

不可逆圧縮